2017/01/25 21:54

今回ご紹介したいのは、『グァテマラ・エルインフェルトウノ農園』です。

 

わたしたちが約2年待ちに待った豆がやっと入荷できました!

豊かな酸みはりんごを彷彿させ、なめらかな舌ざわりは、上質なチョコレートドリンクを飲んでいるような、そんなスペシャルなコーヒーです。

農園主のアギーレ氏はとても勉強熱心で、親子三代にわたって成長し続けている『グァテマラ・エルインフェルトウノ農園』。

グァテマラの「スペシャルティコーヒー」の代名詞です。

 

美味しいコーヒーだから手に入らなかったのか、というと、答えはイエスでありノオです。そうなんだけれども、そうじゃない部分もあるということ。

今回は、エシカル目線での、「コーヒー事情」を取り上げてこの豆をご紹介したいと思います。

 


◆コーヒーのサードウェーブのこと。

BASEMag.読者の皆さんなら、「サードウェーブ」という言葉を聞いたことがあるかと思います。

日本に昨年上陸してきた「ブルーボトルコーヒー」はまさにその代表例。

大量生産・大量消費の「ファーストウェーブ」、スターバックスなどのシアトル系(高品質っぽくって、お洒落。ラテやフラッペを楽しんだりするのもここから。ロゴでコーヒーを買うこと。)が「セカンドウェーブ」。

「サードウェーブ」は豆の生産地から、淹れ方までにこだわった、一杯一杯を大切にするスタイルのことです。

コーヒーのことはよくわからないけれども、良いものを飲んでいる気がして、それでいて美味しい気もする。

しかしこれは目新しいことでしょうか?

自分のお家の近くにあるこだわりの「純喫茶」を思い出してください。

頑固なマスターが、自分の気に入ったこだわりの豆を一杯ずつ抽出する。「この店の味」があって、美味しい。

昔からある日本の喫茶店のスタイルではありませんか?

これは日本のコーヒー文化の基礎的な部分であり、純・珈琲専門店を営むわたしたちにとってサードウェーブはどちらかというと海外から逆輸入してきたような印象を受けます。

温故知新、原点回帰。サードウェーブにはそんな言葉が似合います。

 

◆次に来る波のこと。

それでは、「サードウェーブ」の次に来る波って、どんなものでしょうか。

わたしたちは、それはもうやって来ていると思います。コンビニの100円コーヒーです。

ワンコインでそれなりの味わいのコーヒーが手軽に飲めるようになりました。

あれ?これってファーストウェーブの大量生産・大量消費と同じ?

同じように見えますが、少し違います。

大量消費という部分ではファーストウエーブと同一ですが、100円コーヒーは、「スペシャルティ」や「フェアトレード」、「レインフォレストアライアンス」などの認定を受けたきちんとした農園を取り入れ始めています。

サードウェーブの浸透で、コーヒーの価値そのものを人々が求めるようになったといえます。

しかし、スペシャルティコーヒはの基本的な条件であるアラビカ種の豆は大量生産には向きません。

また大量生産をするシステムはスペシャルティコーヒーの農家にはありませんし(これまで必要としなかったからです。)、今後大量生産をするために山を切り拓いて農地を作る、というのは「スペシャルティ」の原則から大きく外れています。

ただでさえ自然の作物で供給が不安定なコーヒーに対して、このフォースウェーブで需要が大きく増え過ぎました。

また、中国の経済の発展など、中産階級以上の人口層が大幅に広がっており、誰しもがコーヒーを飲めるようになり、さらに良いものを求めるようになりました。

 

◆手に入らない「スペシャルティ」コーヒー

そうなってしまうと、コーヒー市場ではスペシャルティコーヒーの大企業による買い占めが起こります。

良い豆であればあるほど、人々はそれを欲しがり、手に入れようとします。

値段はつりあがり、小さなコーヒー店では手の届かない金額になり、手に入ったとしても、お客さまにはもとのコーヒー豆の値段の何百倍もの値段で販売しないといけなくなります。

この『グァテマラ・エルインフェルトウノ農園』もそうです。

残念ながら、買い占めの対象となってしまいました。現在やっと手に入った生豆も、2年前とは比べ物にならないほどの値段になってしまっています。

 

◆買い占められた先は?

コンビニで販売されている100円コーヒーは、このスペシャルティコーヒーと、質の悪い安価な豆をブレンドして使用されています。

また、だいたいが深煎り。大きな焙煎機で雑多に焼き上げられているのは見てわかります。(もちろんハンドピッキングはされていません。)

それが、農家の人々が大切に育てた豆の正しい行先なのでしょうか。また、それを「スペシャルティ」と呼べるでしょうか。

 

◆エシカル=正しい選択をすること

わたしたち【クレモナ】が大切にしている「エシカル」は、消費者の正しい選択を促すことだといえます。

農家の人々が大切に育て、適正な価格で取引されたものを、きちんとした焙煎で向き合う姿勢を【クレモナ】は大切にしています。

実際グァテマラは一日1ドル以下で生活している人々がまだたくさんいます。コーヒーの香りさえも知らない人たちが、それでも生きるためにコーヒーを作ります。

それを安くでたくさん買い占めて、安くで売る。仲買人が高い値段で売りつける。

それは正しいことではないはずです。それが正しくないことだとわたしたちは警鐘を鳴らし続けたいと思います。

【クレモナ】の取り扱う豆は、なるだけ少ない人の手を介してやってきます。だから高すぎず、安すぎず、お客さまにご提供できます。

 

◆『グァテマラ・エルインフェルトウノ農園』の魅力

 

グァテマラのウエウエテナンゴ地区は平均気温が16-28℃と冷涼で、年間降水量は1800-2000mm。

雨季と乾季がはっきりとしており、有機物質に富んだ火山性の土壌を有します。

コーヒー栽培には適した土地です。

結果として、しっかりとした酸味・ボディを持ったボルドーワインのような上質なコーヒーが生まれます。

この『エルインフェルトウノ農園』はオーナーのアギーレ氏親子の三代にわたる徹底した研究・管理により、グァテマラ伝統的な製法を守った、グァテマラの「トップオブスペシャルティ」と言えるコーヒー豆を生産しています。

枝ぶり・葉の勢い・葉の色・実の付き方どれをとっても素晴らしい苗木です。
敷地内の470ヘクタールにわたる天然雨林は、動植物の自生を維持し、さらに良質なコーヒー生産にも大きくかかわっています。


また、アギーレ氏はグァテマラのコーヒー農家の労働環境の向上にも取り組み、多くの雇用を生み出し、賃金を上げるシステム作りに尽力しておられます。

「エシカル」を実践している農園の一つだといえます。

 

◆だからこそ一度飲んでほしい。

わたしたち【クレモナ】は、コーヒーを取り巻く環境をもっともっと良く、コーヒーにかかわる全ての皆さまがしあわせになってほしいと切に願っています。

「エシカル」に真摯に取り組む『グァテマラ・エルインフェルトウノ農園』の「本当の美味しさ」をぜひ皆さまにお楽しみいただきたいです。

一度、【クレモナ】のコーヒーを選んでみませんか!

 

 


【ルークカフェ・ローストラボ・クレモナ】主任焙煎士

【池田クレモナ・モダンタンゴ五重奏団】バンドマスター

ぴかりん

 

【クレモナ】HP:http://cremona-luke.com/

【ローストラボ・クレモナ】facebook:https://www.facebook.com/cremona.luke/

【池田クレモナ・モダンタンゴ五重奏団】facebook:https://www.facebook.com/cremona.quinteto/

 

  

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